J-PARC muon g-2/EDM experiment

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なぜ予想が外れたのかを考えるのが研究を行う上で苦労することでもあり、楽しいことでもあります。

松下凌大

東京大学大学院 理学系研究科
物理学専攻 齊藤・三部研究室
修士課程2年

なぜこの実験を大学院の研究テーマとして選んだのか

学部4年の際には素粒子理論の研究室に所属していました。場の量子論の勉強をしていく中で「量子補正」という概念が登場し、その中で出てきた物理量が「異常磁気モーメント」でした。より調べていくと、ミュオンという素粒子に対してのこの物理量は、理論からの予言値と測定値の間にズレの兆候があること、またJ-PARCで精密測定に向けて準備中であることを知りました。実験の初期の段階から携わるという貴重な経験ができると考え、この実験を研究テーマとしました。

研究の楽しいところ・苦労したところ

1人だけで研究を行うのではなく、1人1人が自分の考えを持った上で、議論を積み重ねながら研究を行なっていくことが楽しみの1つです。また、シミュレーション等を行い「こうなるはずだ」と考えて行なった実験が、当初の予想と違う結果になった際に、なぜ予想が外れたのかを考えるのが研究を行う上で苦労することでもあり、楽しいことでもあります。

J-PARC/KEKで研究してみてどうですか?

KEKでビーム入射に関する研究を行っています。身近に巨大な加速器があり、加速器の運転や研究開発に従事しているスタッフの方が多数在籍しているため、自分が研究している中で、困ったことやわからないことがあれば、すぐに議論をしたり、教えてもらったりして知識を深めることができます。また、私たちの研究開発のためだけのビームラインを保有しており、ビームタイムという概念に縛られることなく、比較的自由に実験ができることも魅力の一つです。